乳腺とは
乳腺は乳汁を産生する外分泌組織であり、新生児・乳児に栄養や免疫機能を与える重要な機能を果たしています。乳房が痛いなど、しこり以外の症状で診察を受けた際に、乳がんが偶然発見されるようなこともあります。乳房にしこりがある、乳頭から異常な分泌物がでる、乳房が張った感じがする、乳房痛があるなど、少しでも気になる症状がありましたら、お気軽にご相談ください。
乳腺の主な病気
乳腺によく見られる病気としては、乳腺炎、線維腺腫、乳がんなどがあります。乳腺炎は、産褥期に起こりやすく、赤く腫れ上がったり、熱が出たりすることがあります。膿が出たりして治りにくい場合もあるので、炎症の程度を観察し、抗生物質の投与や穿刺、切開などの外科的処置が必要かどうかを判断します。
線維腺腫は主に20~30歳代の女性に見られる良性の腫瘍です。診断が確定していて、大きな変化が無ければ、手術をせずに定期検査で経過を観察しますが、大きくなる、摘出希望があるような場合には、手術を選択することもあります。乳がんは乳腺に生じる悪性腫瘍で、罹患率は増加の一途で、現在、日本人女性の罹患する悪性腫瘍の第一となっています。当院では、触診・エコー検査で乳がんの早期発見および検診を行っております。
甲状腺とは
甲状腺は、喉ぼとけのすぐ下にあり、全身の新陳代謝や成長の促進にかかわる甲状腺ホルモンを分泌しています。甲状腺疾患は男女ともに起こりますが、圧倒的に女性に多く認めます。ホルモン分泌異常であるため、ホルモンが低下すると疲れやすい、むくみやすい、便秘、冷えなどの症状がおこります。逆にホルモンが増加すると、ほてり、動悸、息切れ、イライラ感がなどの症状がおこります。比較的、女性が一般的に感じる症状のため、「産後の疲れかな」、「更年期だから仕方がない」、「老いによるものだ」などと諦めてしまっているような方の中にも、実は甲状腺の病気が原因だったというケースがしばしば見受けられます。
甲状腺の主な病気
甲状腺に起こる病気は幾つもありますが、特によく知られているのが甲状腺の機能が亢進するバセドウ病と低下する橋本病です。バセドウ病は、甲状腺ホルモンが過剰につくられる病気で、これに伴い、暑がり、疲れやすい、だるい、眼球突出、複視、視力低下、イライラ感、集中力低下、不眠、脱毛、血糖上昇、血圧上昇、肝障害、手足の震え、動悸、頻脈、心不全、むくみ、息切れなど多彩な症状が現われます。一方、橋本病は、バセドウ病とは逆に、甲状腺機能が低下する代表的な病気です。甲状腺ホルモン量が不足し、全身が老けていくような症状がみられます。無気力になって頭の働きが鈍くなり、忘れっぽくなって、ひどくなると認知症の原因の1つにもなります。寒がり、疲れやすい、動作が鈍い、息切れ、むくみ、のどの違和感、食欲低下、便秘、脱力感、筋力低下、肩こり、筋肉疲労、肝障害、貧血などが主な症状です。