鼠径ヘルニアについて
鼠経ヘルニアは、太ももの付け根にある腹壁の開口部から腸の一部などがとび出してくる病気です。立ち上がると下腹部や陰嚢などが膨隆し、仰向けに寝るとこと膨隆がなくなることが特徴です。通常、痛みなどは起こりません。生まれながらにヘルニアを持っている幼少時のヘルニアと、加齢性の変化である高齢者のヘルニアは基本的には違う病態のため、治療法が異なります。
このような症状の方は
ご受診ください
- 太ももの内側が膨らんでいる、寝ると膨らみがなくなる
- 鼠経部に重苦しい感じがある
- 下腹部に鈍痛がある
- 吐き気をもよおすことがある
- ヘルニアのサイズが次第に大きくなってきた
嵌頓には要注意
鼠径ヘルニアになったとしても、指で押せばすぐに戻る状態のときは大きな支障は生じません。しかし、飛び出した腸が元に戻らなくなる「嵌頓:かんとん」という病態は、腸管の血流が滞り、場合によっては腸管が壊死していきます。強い痛みが生じ、場合によっては命のかかわる病態ですので、このような状態にならないよう、お早めに医療機関を受診しましょう。
鼠径ヘルニアの
治療について
鼠径ヘルニアは、放置していても自然に治ることはありません。このため、手術によって対応いたします。手術は、人工膜であるメッシュを患部に押し当て、ヘルニアが起こらないようにする修復法です。実際の修復法には幾つかあり、それぞれ一長一短ありますので、担当医と十分に話し合ったうえで、選択してください。